「振り返るとあっと言う間の二日間でしたね」琢磨は、清々しい笑顔だった。
走れたのは、17日のフルデーと18日の午前中。内容の濃い収穫あるテストになった。
チームから“できれば日曜日の会場入り”を請われ、どうせなら、と琢磨は前日の土曜日にカタルニア・サーキット入りして準備を進めていた。こんなところにも、乗りたくて仕方ない、という琢磨の気分がよく出ていた。
--スケジュールが終わりました。
琢磨 ほんとにあっと言うまでした。普通のテストは前日の会場入りですが、バルセロナには土曜日に入りました。チームからは日曜日午後の早い時間に来てくれたら嬉しいし、いろいろ話すこともあるので、と言われたけれど、フライトのスケジュールを見たら、ちょうどいいのがなくて、だったら土曜日、と思いました。モナコから高々1時かですが、環境も変わるし、自分の準備もしたい。心の準備をしてコンセントレーションするためにも、一日早く来て、身体をゆっくりさせて、エンジニアともタップリ話しをして、月曜日からのテストに臨みました。
--充分走れた?
琢磨 いろいろなメニューもできたし、昨日の121周に続いて、今日の午前中も、周回数もこなせたし、予定していたやりたいことは全部こなせました。
--午後はベッテルにトップを持って行かれました。
琢磨 午後になっても気温も上らなかったし、ラバーも乗ったので逆転されてしまったけれど、午前中の時点ではいいポジションにいられたわけだし、自分としてはやることやれたという気持は強いです。
--タイヤの問題は?
琢磨 今日は、グレイニングは出なかった。路面が昨日よりかなり良くなっていて、バルセロナは普通、午後になって気温が上ってグリップが下がるけれど、今日は曇っていてコンディションはよくなる一方だったので、グレイニングは減る方向でしたね。シーズン中も、気温が高くなると、グレイニングではなくてブリスター(気泡ができる状態)の方が問題になるけれど、そうならなかったですから。グレイニングは、スライドが多くてゴムの表面がめくれていっちゃうんだけれど、ラバーが載ったらそういうことはない。
今まではグルーブド・タイヤの特徴的なものだったけれど、スリックは違います。出るときは、激しく出る。グルーブドタイヤでは構造的に出やすいから、常に小さいのが出ている感じで、グレイニングとともに生きる(笑)みたいのがあったけれどスリックタイヤの場合は、基本的には出にくいけれど、ある程度以上の負荷がかかると爆発的にボンと出て戻ってこない。もちろん、コンディションやセットアップによって違うからもしれないので、昨日の1セットだけではなんとも言えないですね。
--全体としては?
琢磨 できる限りのことはやったという感じですね。ミスとか失敗とか、ああすれば良かった、というのはなかったです。もちろん、欲を言えば、もうちょっと、ね(笑)。クルマに慣れたと言っても100%乗りこなしたわけではないし、予選のアタックをやったわけではないですから、もうちょっと乗りたかった。もちろん、(9月の)へフェラーリレスから昨日、今日と、乗る度に経験を積んで、どんどん乗りこなせるようになった。そういう意味で臨界にあたってしまったわけではないし、またまだ楽しみなと頃はあるけれど、与えられたプログラムと時間の中ではできることはやりました。(つづく)